2009年11月8日日曜日

Winny裁判の行方は?

逆転無罪・・・しかし検察が上告!

Winnyというファイル交換ソフトの開発者が著作権法違反の幇助罪で逮捕され、2006年12月に京都地裁は罰金150万円の有罪判決を下した。本判決の妥当性については多くの疑問が呈されたが、筆者も「OHM」のコラムで問題点を指摘した。(注1)

本件について今年10月8日、大阪高裁は一審の判決を覆し、一転して無罪を言い渡した。京都地裁は、たとえ技術自身は中立的なものであっても、それが悪用される恐れがあることを開発者が認識していれば罪に問えるという考えだった。それに対し大阪高裁は、違法な使い方を積極的に進めない限り、中立的な技術の開発だけでは罪にはならないと判断した。

この大阪高裁の判決を不服として、大阪高検は10月21日、本件を最高裁に上告した。今後本件は最高裁で争われることになる。

なぜ無罪が望ましいか?

多くのソフト開発の関係者は、本件の有罪判決はソフトの開発者を萎縮させると主張している。確かにその恐れも大きい。それと同時に、筆者は本件の有罪判決が海外から驚きの目で見られていることを前記のコラムに記した。技術的に中立なソフトの開発だけで有罪となった例は海外にはないようだ。

現在、ビジネス環境の国際的な統一を達成し、日本市場を広く海外企業に開放することが求められている。そういう状況の下で、「日本は世界の常識が通用しない、地球上の片田舎だと言われないようにしなければならない」と前記のコラムに書いた。最高裁は本上告を棄却することが望ましい。

(注1)「Winny裁判の教訓」、 「OHM」2007年4月号、オーム社
(http://www.toskyworld.com/archive/2007/ar0704ohm.htm)

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