2016年8月26日金曜日

モバイル端末のセキュリティにご用心!


身に覚えのない「送信不能」メールが2,000件

本年(2016年)6月、2日半にわたって、小生のメールアドレスに約2,000件の「送信不能」のメールが届いた。インターネットのメールシステムが発信した、小生のメールアドレスから送信されたメールの宛先が存在しない」というメールである。ひどい時には、1時間に70通以上も届いた。

小生が送ったと称するメールはみな英文で、「私はカワイイ女の子。今晩一人で寂しいのでお話しましょ。この電話番号にメッセージをチョーダイ。私のヌード写真を送ってあげるよ」などというようなものばかりだ。送信先は、アメリカ、フランス、イギリス、台湾など、世界中に広がっている。送信元がどこかは分からないが、崩れた英語の調子や、「電話チョーダイ」という電話番号の国番号やエリアコードから米国と思われる。

宛先が存在しないというメールだけで約2,000件あったのだから、宛先が存在してちゃんと相手に届いたメールは1~2万件あったのではなかろうか?

パスワードが盗まれた?

他人のメールアドレスを勝手に使ってメールを送信する方法には2種類ある。

一つは、他人のメールアドレスの送信サーバのパスワードを盗んで、勝手にメールを送信するものだ。いわば、送信サーバの乗っ取りである。

もう一つは、他人のメールアドレスを使って、別の送信サーバから送信するものだ。

今回の場合は、小生が使っているメールサーバの運営事業者に確認したところ、送信サーバが使われた痕跡があるというので、前者、つまりパスワードが盗まれ、送信サーバが乗っ取られたのだ。これはパスワードを変更した途端「送信不能」メールの受信がピタッと止まったことで確かめられた。

タブレットが怪しい?

では、どこからパスワードが盗まれたのだろうか?

小生がメールに使っている機器は5台ある。

バックアップ用の旧機種も含めて3台のパソコンを使っているが、これにはセキュリティ・ソフトが入っていて、ここから盗まれる可能性は低い。

スマートフォンにも無料のセキュリティ・ソフトが入っている。

ところが、タブレットにはセキュリティ・ソフトを入れてなかった。これは、タブレットで使える無料のセキュリティ・ソフトがなかったためと、モバイル端末では銀行や証券会社との取引、オンライン・ショッピングなどをしないことにしていて、これらに必要なパスワードを入れてなかったためである。

したがって、送信サーバのパスワードはタブレットから漏れた可能性が一番高いと思っている。

当たり前のことだが、カネが絡む処理は一切しなくても、メールを使えば、メールサーバのパスワードが入れてある。ガードしてなければ、これは盗まれる可能性がある。

こうして、うかつにも世界中の人にスパムメールをバラまくのを手助けしてしまったようだ。

モバイル端末のセキュリティにご用心!

現在、 スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末で、銀行や証券会社との取引、オンライン・ショッピングなどを行っている人は多い。その場合、モバイル端末にもパソコンと同等のセキュリティ対策が要求される。

いや、モバイル端末は盗難・置き忘れなどのリスクが高いので、要求されるセキュリティ対策はパソコン以上である。

2016年8月4日木曜日

「格安スマホ」を使ってみて・・・従来が「格高スマホ」!?


フアウェイ(華為)のスマートフォンを購入

女房が、娘や孫と「LINE」をやりたいと言うので、スマートフォンを買ってあげることにした。買ってあげると言っても、技術的なことはまったく「分からんチン」なので、全部小生がお膳立てをすることになる。女房は出てきたものをただ食べるだけだ。手間はかかるが、女房のボケ防止には少しは役立つかも知れない。

わが家では、光回線も、インターネット接続も、レンタルサーバもNTTコムを使っているので、スマートフォンの回線は同社がNTTドコモから回線を借りて提供しているMVNOを使うことにした。料金はデータ量によって違うが、3GB/月までで1,800円/月(税抜)だという。同社の光回線を使っているとさらに200円/月の割引があるそうだ。

小生が入院中にスマートフォンのYouTubeで落語を聴いていた時も、1週間で1GBもいかなかったように記憶しているので、毎月これだけ使えれば女房には十分だろう。

端末はフアウェイ(華為)社のHuawei Y6にした。Androidの世界では韓国のサムスンに次いで世界第2位の生産量に達している中国の新興企業だ。 ちなみに、同社を日本で「ファーウェイ」と書いている記事があるが、カナ表記としてあまり適当ではない。「フアウェイ」の方がより原音に近い。

価格は13,800円(税抜)だった。さらに2,000円値引いた時期もあったらしいが、残念ながら時期を逸したようだ。機能には制約があるようだが、女房には十分だろう。

内蔵のSDメモリが8GBだけなので、16GBのSDカードを買って増設した。こうしておけば写真や楽曲を相当入れても問題ないだろう

16GBのSDカードをamazonのサイトで捜したがなかなか見つからない。現在はもっと大容量のものが主流だ。容量は大きくてもいいのだが、ビデオでも大量に入れない限りそんなには必要ない。

やっと16GBのSDカードを500円台で売っている店を見つけて買った。昔の値段を知っている者にとっては、驚異的な安値だ。半導体と、それと競合するディスクのビジネスに従事している人達は大変だろう。 

ショップが使えない!

スマートフォンの設定は結構手間がかかるが、MVNOが扱っている「格安スマホ」となると、MVNO業者、そこに回線を卸しているキャリア、端末のメーカーとその販売店が絡むので、なおさらだ。その上、今まで使っていた電話番号を継続して使用するMNPを使おうとすると、従来のキャリアまで絡んでくる。

しかもMVNO業者や格安スマホのメーカーはろくに説明書を用意してなく、詳細はウェブで調べるようになっている。パソコンがない人には大変だろう。

MVNOにはショップがない代わりに、コールセンタには力を入れているようだ。しかし、コールセンタには電話がなかなかつながらず、また、コールセンタを効率よく使うためには、利用者にもある程度の知識が要求される。キャリアのショップのように端末を持参すれば何でもやってくれるというわけにはいかない。 

今まで、街を歩くと立派な店舗を構えたキャリアのショップが数多くあり、来客で混んでいた。こうしたショップの維持費はすべて携帯電話やスマートフォンの利用者が間接的に負担していたわけだ。従って、ショップの無料サービスをあまり利用しない人にとっては、通信費や端末代が割高になっていたわけだ。 

spモードメールがなくなった!

女房は従来、携帯電話で「iモードメール」という「@docomo.ne.jp」のメールアドレスで送受信するメールを使っていた。 小生は「iモードメール」は使っていなかったが、小生が使っているスマートフォンでは、「@docomo.ne.jp」のメールを引き続き「spモードメール」という名前で使えるようになっている。

事前にろくに調べもせず、同じことが今回のスマートフォンでもできるのだろうと思っていた。ところがドコモは最近メールをガラッと変えたことを知って驚いた。これはMVNOに限らず、ドコモが直接提供している回線でも同じである。

最近のスマートフォンでは、「spモードメール」ではなく「ドコモメール」を使うようになっているという。これは従来と同じ「@docomo.ne.jp」のアドレスでメールを送受信できるが、大きな違いは、Gmailなどと同じクラウド型で、ドコモのセンタにメールボックスやアドレスの台帳がある。

そのため、スマートフォン、タブレット、パソコンなど、どの端末からでもメールの送受信ができる。では、ドコモの回線を全く使ってなくても「ドコモメール」が使えるかというと、少なくとも1台はドコモの回線を使っていないと、このメールは使えない仕掛けになっている。

どうせクラウド型メールに移行するなら、全世界で膨大な実績があり、将来他の回線や端末に移行する時も最も問題が少ないと思われるGmailに移行することにした。

アドレス帳/電話帳の移行は、ドコモショップのツールを使えばある程度自動でできたのかも知れないが、古くなったデータの大掃除を兼ねて、人手でGoogleのアドレス帳/電話帳に移した。

こうして、メールについてはドコモと縁が切れた。

メールはネットワーク上の一つのアプリケーションだ。アプリケーションを選ぶときは、できるだけネットワーク・インフラから独立したものを選ぶべきだ。その方が、将来ネットワーク・インフラを切り替える時の自由度が増す。

デファクト・スタンダード製品が世界の主流!

日本で開発・生産されているスマートフォンには「ワンセグ」や「おサイフケータイ」の機能があるものが多い。アップルやサムスンなど海外の製品には元々これらの機能がないが、日本の市場向けにこれらの機能を追加したものもある。

小生が使っているサムスンのスマートフォンにも「ワンセグ」が付いているが、画質が悪くほとんど観ていない。先日相撲の千秋楽の結びの一番を近所のアイスクリーム屋で観たぐらいだ。いっしょにいたアメリカ人がこの映像はどうやって届くのだと興味津々だった。「ワンセグ」は見たことも聞いたこともないようだった。

 「ワンセグ」は最近「フルセグ」として画質を向上させようしている。しかし、テレビ映像のインターネット配信も始まっているので、こういう形での配信に将来性はあるのだろうか?

 「おサイフケータイ」は、他の国ではNFC (Near Field Communication)という別の仕様でスマートフォンに取り込まれている。日本では「おサイフケータイ」をNFCに統合させよとしているが、全世界で受け入れられるかどうかはこれからの問題である。

 フアウェイのスマートフォンには「ワンセグ」も「おサイフケータイ」もない。これが現在の全世界のスマートフォンのデファクト・スタンダードなのだ。

日本の企業は、これらの機能を追加して、海外製品に対する差別化に力を入れてきた。しかし、世界の10分の1に届かない市場だけを対象にした製品が、全世界を対象にしている製品と競争するのは難しい。追加機能を設けるなら、全世界に通用するものでなければならない。

従来が「格高スマホ」!?

上記のように、「格安スマホ」が安い理由は、
 (1) ショップがないこと。
 (2) 全世界のデファクト・スタンダードによっていること。
が大きいように思う。

今後はこれがスマートフォンの主流になっていくものと思われる。その時には「格安スマホ」は死語になり、従来のスマートフォンは歴史の一時期に存在した「格高スマホ」になるのではなかろうか?