2012年5月29日火曜日

「ケーブルテレビからVODへ」のご紹介



オーム社の「OHM20125月号に掲載された上記記事が小生のウェブサイトに掲載されました。
[概要] 米国では最近ケーブルテレビを解約する人が増えているという。NetflixHulu(フールー)などの、インターネットを使った定額のストリーミング配信のVODで、見たい番組を見たいときに見ることができるようになったためだという。映画などの視聴にはこの方が適しているが、トラフィックの激増が問題だ。 ―――全文を読む

2012年5月8日火曜日

Galaxyを使ってみて(9)・・・アドレス帳の1本化にチャレンジ



アドレス帳を1本化したい!

小生はパソコンのメールクライアントにThunderbirdを使っている。そのアドレス帳はLDIF (LDAP Data Interchange Format)という標準のファイル形式だ。

GalaxyなどAndroidのスマートフォンのアドレス帳は、メールと電話に兼用で「電話帳」(英語名: Contacts”)という。このアドレス帳の元帳はグーグルのサーバーにあり、スマートフォン内のアドレス帳はそのコピーだ。

小生は、このグーグルのアドレス帳に、Thunderbirdのアドレス帳と従来使っていた携帯電話の電話帳をコピーして、スマートフォンでメールも電話もできるようにしている。その結果、アドレス帳がパソコン用とスマーフォン用の2本立てになってしまった。2本立てだと、内容を変更するとき、それぞれ独立に更新する必要がある。これでは不便でしょうがない。

また、Thunderbirdのアドレス帳は、事故や災害に備えて複数のパソコンやレンタル・サーバーにコピーを置いてある。しかし、グーグルのアドレス帳は手元にコピーがなく、何らかの事情でグーグルがサービスを提供できなくなったとき、どうすることもできない。もし、アドレス帳を1本化できれば、バックアップも容易で、こういう心配もなくなる。

1本化の方法は?

できれば、グーグルのサーバーでなく自分の手元に1本化したアドレス帳の元帳を置きたい。そのためには、現在グーグルのアドレス帳にある電話番号のデータをThundrebirdのアドレス帳にコピーして元帳を作る必要がある。そして、この元帳をグーグルのアドレス帳にコピーする手段が必要だ。そうすれば、スマートフォンのアドレス帳をいつでも最新状態に保つことができる。

アドレス帳の1本化のためのサードパーティーのソフトもあるのかも知れないが、信頼性や永続性が心配なのでできるだけ使わないで済ましたい。グーグルやThunderbirdのアドレス帳の標準機能だけでできないか、英文の情報を調査したところ、次の手順でできそうだと分かった。

(1) グーグルのアドレス帳をCSV (Comma-Separated Value)のファイル形式でエクスポートする。

(2) それをThunderbirdのアドレス帳に新しいグループとしてインポートし、その中の電話番号を含むレコードを現在使っているアドレス帳に移動する。

(3) その結果、同一人について2レコードできたものは、人手で1レコードにまとめる。

(4) 新しくできたThunderbirdのアドレス帳をCSV形式でエクスポートする。

(5) 上記CSVのファイルをグーグルのアドレス帳にインポートする。

少々面倒で、うまくいくか分からないが、取りあえずやってみることにした。

遭遇した問題は?

上記の手順を実施したところ、下記の問題に遭遇した。

(1) 漢字がエクスポートできない!

小生のグーグルのアドレス帳は、従来携帯電話で使っていた電話帳を含んでいて、それは人名や企業名に漢字やカナを使っている。これをそのままCSVでエクスポートすると、漢字やカナが文字化けしてしまうことが分かった。

そこで、漢字やカナをローマ字表記にして、Thunderbirdのアドレス帳から移したものも含めて、すべて英語のアルファベットに統一した。これで、この問題は解決した。

前にも経験したことがあるが、クラウド・サービスやレンタル・サーバーを使うときは、日本語の使用に気を付ける必要がある。

(2) CSVのフィールドの対応付けが面倒!

グーグルのアドレス帳とThunderbirdのアドレス帳はCSVを経由して相互にエクスポート/インポートできるというが、これがそれほど簡単ではない。グーグルのアドレス帳のフィールド名は英語で、日本語版Thunderbirdのアドレス帳のフィールド名は日本語であり、表示が異なる。そのため、エクスポートしたCSVファイルのフィールド名をインポートする側のフィールド名に書き換えないとインポートできない。

たとえば、Thunderbirdからエクスポートして、グーグルにインポートするときは、「名」を「First Name」に、「姓」を「Last Name」に、「メールアドレス」を「E-Mail Address」に、「自宅の電話番号」を「Home Phone」に、という具合にフィールド名を変更する必要がある。

基本的なデータは両ファイルに対応するフィールドが存在する。しかし、一方にしか存在しないフィールドもあり、これらは他方に移すことができない。たとえば、Thunderbirdの「表示名」や「ニックネーム」、グーグルの「Middle Name」や「Title」は他方にはなく、移せない。

これらの問題はあったが、何とか上記の手順でアドレス帳の1本化を実現することができた。ただし、これは環境条件に依存する点があるはずで、どういう条件のときにこの手順で同様のことができるかは不明である。

今後の課題は

これで、どうにかメールと電話のアドレス帳は1本化することができた。しかし、小生にはあと二つアドレス帳がある。

一つは、宛名印刷ソフトのアドレス帳だ。これにも、住所や電話番号が登録されているので、1本化のニーズは大きい。Thunderbirdのアドレス帳には住所も記入でき、日本語も使えるので可能性はあるようだ。しかし、現状は欧米式に、番地、都市名、都道府県名という順に別のフィールドで扱っているので、日本の宛名印刷ソフトで年賀状を印刷するのに使えるようになるには少々時間がかかるかも知れない。

もう一つは、固定電話の電話帳だ。現在はこれにも独立に電話番号を登録している。次に固定電話を買い換えるときには、パソコンやスマートフォンのアドレス帳から容易に電話帳を移せることが、機種選定の決め手になるだろう。

いずれにしても、現在のところ、アドレス帳の1本化はそう簡単ではないことが分かった。最も手間がかからず安上がりなのは、メールにGmail、スマートフォンにAndroid系のものを使って、グーグルのアドレス帳に1本化することになりそうだ。それも一つの選択肢かも知れないが、いったんグーグルの世界にどっぷりと浸かってしまうと、先々足を洗うのが難しくなるだろう。そして、グーグルのサービスが永久に続くという保証は誰もできない。