2010年9月30日木曜日
iTunesへの不満
楽曲ファイルを別のコンピュータにコピーできない
前に、アップルのiTunesで使っていたファイルを、Windows XPのパソコンからWindows Vistaのパソコンにコピーしようとしたときの問題を、「アップル流の限界?」というタイトルでオーム社の「OHM」に書いた。
今回同様のことを、Windows VistaからWindows 7へのコピーについて試みた。iTunesは最新のバージョン10だ。前とは若干状況が違うが、やはり同じような問題に出会ったので、「なぜこれが問題なのか?」も含めて以下ご紹介する。
現在のiTunesは非常に「頭がよく」なっていて、ホーム・ネットワークで接続された一つのパソコンから他のパソコンに楽曲ファイルの「ライブラリ」をコピーすることができる。こうしてコピーしたパソコンで、楽曲を聴いたり、iPodに転送したりすることができる。
しかし、コピーされるのは中身のないライブラリだけで、楽曲ファイル自身は元のパソコンに残っている。新しいパソコンで楽曲が要求されるたびに、元のパソコンのファイルを参照するのだ。
両方のパソコンに電源が入っていて、ネットワークを構成している限り、これでも差し支えないのだが、実際には困ることも多いはずだ。
まず、家族で楽曲ファイルをシェアしようとしても、参照先のパソコンの電源が入っていなければシェアできない。
また、ノートPCに楽曲ファイルをコピーして、別荘や旅行先で聴こうと思っても聴けない。
iPodで聴けばいいと言う人もいるかもしれないが、iPodを持たずにパソコンから直接聴いている人や、iPodがあっても、パソコンでの作業中はBGMとしてiTunesで音楽を再生している人もいるだろう。
このように楽曲ファイルそのもののコピーを困難にしているのは、著作権保護のためだろう。現在は5台のコンピュータまでにしかライブラリを登録できないようになっている。
しかし、現在でも、iTunesを使わずOSの機能で楽曲ファイルをコピーして、それをiTunesの機能でライブラリに登録すれば、コピー先のiTunesで楽曲ファイルが使える。操作が面倒なだけで不可能ではない。
こういう、中途半端な著作権保護のために使い勝手を犠牲にするのは止めてもらいたいものだ。
HDDにバックアップを取れない
iTunesにはファイルのバックアップ機能が用意されているが、バックアップ先の媒体として使えるのはCDかDVDだけだ。
しかし、日常のバックアップにCDやDVDを使っている人はもう少ないだろう。2テラバイトのHDDが1万円台で購入でき、HDDの方が高速で操作も容易だからだ。そして、HDDならバックアップの頻度を上げても、不要になったものは消せばいいので、媒体の費用も安く済む。したがって、バックアップは外付けHDDか、ネットワークで接続された別のコンピュータのHDDに取るのが今や常識だ。
これも著作権保護のためなのだろうが、OSのファイル・コピーの機能を使えばHDDにバックアップを取ることができるので、たいした意味はない。
従来レコードやCDで所有していた楽曲のコレクションが、いまやコンピュータのファイルになった。そして、楽曲ファイルが入っているHDDはエレクトロニクス製品なので、必ず壊れることがある。したがって、バックアップは不可欠で、そのために最善の手段を提供することはiTunesのようなソフトにとって非常に重要なことだ。
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